Namer
Namerプラグインは、バンドルの出力ファイル名を決定します。Namerは、いずれかが結果を返すまでパイプラインで実行されます。返されるファイルパスは、ターゲットのdistDir
に対する相対パスである必要があります。詳細については、ターゲットを参照してください。
特定のバンドルの名前を上書きする
#Namerプラグインの一般的なユースケースは、特定のバンドルに対してParcelのデフォルトの命名スキームを上書きすることです。Namerは、バンドルを処理しない場合はnull
を返すことができ、パイプライン内の次のnamerが代わりに処理できるようにします。この仕組みの詳細については、Parcelの設定ドキュメントのNamerを参照してください。
この例では、すべてのpng
およびjpg
ファイルを、元のファイル名と同じ名前のimages
フォルダーに配置します。
import {Namer} from '@parcel/plugin';
import path from 'path';
export default new Namer({
name({bundle}) {
if (bundle.type === 'png' || bundle.type === 'jpg') {
let filePath = bundle.getMainEntry().filePath;
return `images/${path.basename(filePath)}`;
}
// Allow the next namer to handle this bundle.
return null;
}
});
注: この例では、すべてのファイル名が一意であることは保証しません。異なるディレクトリに同じファイル名の2つの画像があった場合、ビルドは失敗します。
コンテンツハッシュ
#バンドルの内容のハッシュを含めることは、ブラウザがロードされたファイルを無期限にキャッシュできるようにする、本番ビルドにとって重要な最適化です。バンドルの内容が変更されると、そのファイル名も変更され、これがキャッシュの無効化メカニズムとして機能します。詳細については、コンテンツハッシュのドキュメントを参照してください。
バンドルの命名が行われる時点では、最終的な内容はまだ不明なため、Parcelは各Bundle
オブジェクトにhashReference
プロパティを提供します。これは、最終的なバンドルの書き込み時に実際のハッシュに後で置き換えられる不透明なプレースホルダー値です。コンテンツハッシュを含めるには、返されたバンドル名でこれを使用します。
ハッシュを含める前に、bundle.needsStableName
プロパティを必ず確認してください。これがtrue
の場合、依存関係はバンドルのファイル名が時間の経過とともに一貫性を保つことを期待しています。たとえば、サービスワーカーではURLが変更されないことが必要であり、ユーザーはHTMLページのような表示されるURLが人間が読みやすく、一貫性を保つことを期待しています。
import {Namer} from '@parcel/plugin';
export default new Namer({
name({bundle}) {
let name = yourNamingFunction(bundle);
if (!bundle.needsStableName) {
name += "." + bundle.hashReference;
}
return name + "." + bundle.type;
}
});
ハッシュは、コンテンツハッシュが無効になっている場合(たとえば、開発中、または--no-content-hash
を使用している場合)でも、返されたバンドル名が一意であることを保証するのに適した方法です。この場合、hashReference
は元のファイルパスのハッシュに置き換えられ、時間の経過とともに変更されることはありません。
ターゲット
#Namerプラグインは、バンドルに関連付けられているTarget
も尊重する必要があります。ターゲットを使用すると、ユーザーはpackage.json
でエントリバンドルの出力ファイル名を構成できます。バンドルがエントリバンドルグループにあり、エントリアセットが含まれている場合、Namerプラグインは可能な場合はbundle.target.distEntry
を出力ファイル名として使用する必要があります。
import {Namer} from '@parcel/plugin';
export default new Namer({
name({bundle, bundleGraph}) {
let bundleGroup = bundleGraph
.getBundleGroupsContainingBundle(bundle)[0];
let isEntry = bundleGraph.isEntryBundleGroup(bundleGroup);
let bundleGroupBundles = bundleGraph
.getBundlesInBundleGroup(bundleGroup);
let mainBundle = bundleGroupBundles.find(b =>
b.getEntryAssets()
.some(a => a.id === bundleGroup.entryAssetId),
);
if (
isEntry &&
bundle.id === mainBundle.id &&
bundle.target?.distEntry
) {
return bundle.target.distEntry;
}
// ...
}
});
設定の読み込み
#ユーザーのプロジェクトから設定を読み込む必要がある場合は、NamerプラグインのloadConfig
メソッドで行う必要があります。この方法の詳細については、設定の読み込みを参照してください。
注: キャッシュを適切に無効化できるように、Parcelの設定読み込みメカニズムを使用することが重要です。ファイルシステムからファイルを直接読み込むことは避けてください。
関連API
#Namer parcel/packages/core/types/index.js:1597
type Namer<ConfigType> = {|
loadConfig?: ({|
config: Config,
options: PluginOptions,
logger: PluginLogger,
|}) => Promise<ConfigType> | ConfigType,
name({|
bundle: Bundle,
bundleGraph: BundleGraph<Bundle>,
config: ConfigType,
options: PluginOptions,
logger: PluginLogger,
|}): Async<?FilePath>,
bundle
のファイル名/パスを返すか、nullまたはnullishを返して次のnamerプラグインに処理を任せます。
|}